3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

サキーザ・ベスト・オブ・サキ I

第79冊目は、ひとりでこっそり楽しみたい短編集、サキの「ザ・ベスト・オブ・サキ I」を紹介します。

残念なことにどうも中古でしか買えないみたい・・・

サキの短編集はOヘンリーと違って毒がいっぱいあります。毒入り注意!さわるな危険!という感じです。

でも、その毒がマンガの意地悪ばあさんっぽくってやめられないというところでしょうか。

「ザ・ベスト・オブ・サキ I」の読みどころは、名前付けの匠※を堪能できる『ガブリエル・アーネスト』と『スレドニ・ヴァシュター』、そして、サキとしての毒の入り方の典型『エズミ』だと思います。

※サキは名前の付け方がとても巧みなんだそうです。例えば、主人公の名前にガブリエル・アーネストとつける。どちらも聖人の名前でおごそかな感じがするのですが、どっこい、つけられた子どもはそれとは程遠いといったようなものです。この名前で笑える面白さが独特なんだそうですが、文化圏が違うせいでそれがしっかりわからず残念です。

この短編集、短編だけあってもりだくさんで、思わずにやりとしてしまう「名曲『花かずら』」や「ラティスラヴ」、ちょっぴりスティーヴン・キングを思わせるホラー「メス・オオカミ」というのもあって結構楽しめます。

あ、最も有名な短編「あけたままの窓」が入っているのもこのIです。別名「開いた窓」。

でも一気に読まずにちょこちょこ読み続けるのが長く楽しむ秘訣だと思いますね。