3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

福永令三ークレヨン王国からきたおよめさん

第120冊目は、後のユーモア路線&食べ物おいしそう路線&ミステリー仕立て路線につながる一冊「クレヨン王国からきたおよめさん」を紹介します。

この本から、これまでのヘビーな(自然保護か開発か)路線からちょっとユーモア路線に変わります。そして、食べ物がおいしそう!という描写が加わります。

初めて読んだとき、なぐり電車に私も乗りたいと思いました。
「ブルーサンセット」というパフェがとてもおいしそうだったからです。

主人公は小学校6年生の亜有子ですが、なぐり電車に乗ったことがきっかけで高校生の夏江子と友達になるのです。それを亜有子は「素敵なお姉さんと友達になれたのが嬉しい」としていますが、私もこんなお姉さんが欲しかったなーと思ったものです。

さて、およめさんですが、題名の通りクレヨン王国から来るのです。クレヨン王国側からすれば刑罰のような感じです。アニメによくある設定「魔法使いが何か違反をして、その罰として人間界で○年を過ごす」をイメージすれば間違いありません。この本の場合、およめさんは短期で1か月です。

およめさんには種類があって、勉強がよくできたり、スポーツ万能だったり、よく笑ったり(ケケケ型とホホホ型があります)するのです。私も勉強のおよめさんが欲しかったなー

で、およめさんは自分の頭の中に来るんです。会話もできます。亜有子とそのおよめさん、夏江子とそのおよめさんの4人で話す4者会談の場面が面白かったです。

さて、およめさんとの生活ですが、およめさんに遠慮しているうちに亜有子はどんどん自分をのっとられていることに気づきます。

引用「亜有子が、亜有子でいるためには、やっぱり努力しなければいけないんだ。そうでないと、自分でないものに、ぶんどられていってしまうんだ。」

これって大事なことですよね。およめさんと直接対決することで、亜有子もおよめさんも変わっていきます。痛みを伴う成長です。

物語はおよめさんとの関係だけではなく、ちょっとミステリー仕立てになっていますので、そちらも楽しめると思います。



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