3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

アンドレ・ブルトンーシュルレアリスム宣言・溶ける魚

第104冊目は、古典となった奇書、アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言 溶ける魚」を紹介します。

シュルレアリスムといえば、ダリやマグリット、エルンストなどの絵画を思い浮かべます。マグリットの「これはパイプではない」という絵や、ダリのやわらかい時計たちなどです。

ところが、シュルレアリスム活動の開始は、このブルトンが書いたという「シュルレアリスム宣言」にあったというのです。まさに始祖。よって、紹介文がものすごいことになっています。

ーーー引用ーーー
シュルレアリスム宣言」こそは20世紀の芸術・思想の出発点である。夢、想像力、狂気を擁護して、現実の奥深くに隠された<超現実>を暴きだし、真の生、真の自由に至る革命の必要を高らかに謳いあげる。
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どうですか?これぞ本家本元といったところです。

肝心の本の中身ですが、「シュルレアリスム宣言」は活動への意気込みと実際にどうやって自動筆記小説を書くかについて述べています。

そして、この自動筆記小説(頭に浮かんだことをただひたすらノートに書き記す)の実践結果が「溶ける魚」になっているのです。だから、「シュルレアリスム宣言」は「溶ける魚」の序文という位置づけらしいです。

昔だったので、自動筆記小説はノートにびっしりインクで書くでしたが、今ならさしずめ、パソコンでバチバチ打ちまくるでしょう。

頭に浮かんだことをただひたすら書いていった小説なので、ぽんと話題が飛びます。超短編小説集といってもよいでしょう。本人は小話集といっていたらしいです。

歴史的にすごい本には違いないですが、薄いので手にとってぱらぱら読んでみてはいかがでしょうか。