3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

赤瀬川原平ー赤瀬川原平の名画読本

第96冊目は、エッセイと評論の中間かな?「赤瀬川原平の名画読本」を紹介します。

この文庫本は名画の部分はフルカラーで1章ずつ全部で15枚の名画が紹介されています。

「はじめに」で勧めている絵の見方がなかなかいいです。それは、早足で回る、ということです。私も美術館や展覧会でいつもやっています。ざっと見て回って、自分の好きな絵を探す。見つかったら、今度は好きな絵だけじっくり見る、というやり方です。

1章はモネの「日傘をさす女」。光の揺らめきや変化をとらえて描く印象派のモネが、わざと書かなかった部分に迫ります。

この本で知った絵は、10章のコローの「コンスタンティヌスのバシリカのアーケードから眺めたコロセウム」です。色使いが好きです。著者はコローはこの風景が描きたかったのだといいます。コロセウムの前に柱がある構図は、この風景の現実性をましています。このリアリティが近代的なのだそうです。なるほどねー

13章のマチス「ピアノのレッスン」も有名ですが、配色の妙を感じる絵です。著者は、1つ1つの抽象表現を読み解きながら、やっぱりカラリストだったというマチスの言葉を紹介しています。「私が生涯苦労しつづけたのは、色だった」

この本もトットちゃんのようにプレゼントにはいいかも、と思いました。
絵の好きな方はぜひどうぞ。美術館に行き始めた頃の子どもにもいいかもしれませんね。