ロアルド・ダールー飛行士たちの話
第29冊目は、短編の名手ロアルド・ダールの「飛行士たちの話」を紹介します。
飛行士たちの話 (ハヤカワ・ミステリ文庫 22-2)
posted at 2012.3.9
短編の名手として知られるロアルド・ダール。一番有名な短編集はもちろん「あなたに似た人」でしょう。原題:Someone like you
ですが、『あなたに似た人』という名前の短編は、短編集「あなたに似た人」には収録されていません。かわりに、「飛行士たちの話」に収録されているのです。
で、「飛行士たちの話」ですが、戦争中のパイロットの話です。
短編集の中でいいなと思っている話は、「番犬に注意」「カティーナ」「マダム・ロゼット」です。
「番犬に注意」は、不時着して病院に助けらたパイロットが主人公です。後のダールを思わせる結末に着目です。
「カティーナ」は、ふとしたことで助かった少女の話。あのがらくたの上で何をしてたのか聞いておくれよ、に返ってきた返事に泣きそうになります。こういう場面はたくさんあったのだろうな、と思わせます。
「マダム・ロゼット」は、打って変わってファンタジー調。色彩豊かに女たち救出劇と銘打ったどたばたを描きます。