福永令三ークレヨン王国月のたまごシリーズ前編
第113冊目〜119冊目ですが、クレヨン王国月のたまごシリーズのPART2からPART8までをまとめて紹介します。
クレヨン王国月のたまごPART1にて紹介しましたが、月のたまごシリーズは3通りの楽しみ方ができると私は考えています。
★一冊目だけ
1つ目は、PART1だけ読む方法です。PART1だけでも完結しているのでこれはこれで楽しめます。
★前半シリーズまで
もう1つは、PART2〜PART8までの前半シリーズを読んで楽しむ方法です。私はこちらをおすすめします。なぜかというと、この前半シリーズで主人公まゆみのライバル「ダマーニナ」が登場します。美しく勝気な女性のダマーニナとの恋物語は読みごたえがあります。それから、月のたまご救出作戦で活躍したナルマニマニ博士やカメレオン首相のその後が読めます。
★完結編まで
最後の1つは、四土神〜完結編までの後半シリーズを読んで楽しむ方法です。私はこちらはあまりおすすめしませんが、その理由は別途書くことにします。
さあ、PART2〜PART8一気に紹介です!
PART2は、クレヨン王国の記憶をなくしたまゆみが記憶を取り戻して、クレヨン王国の入口に立ち、ストンストンとアラエッサに再会するまでを描きます。
PART2での読みどころは、まゆみの詩だと思います。三郎さんのことを忘れているまゆみですが、大切なものをなくした感じは強く持っていて、恋する誰かさんとして詩を書き続けています。
「クラクション クラクション わたしのクラクション
ふりむいてくれなければ 我が道(マイウェイ)が見えない」
一方、三郎は不思議な美女ダマーニナに助けられてカヤーナの火山地帯を抜けます。
作者は3冊になるか4冊になるか、わからないまま続きを書きだしましたので、このPART2ではひとまず月のたまご探検隊の再会部分までを書いたという感じですね。
さて、再会して見つめ合う二人。愛でいっぱいの二人ですが、最初の困難が襲いかかります。なんと、青黒い水をたくさん飲んだために三郎は病気になってしまいます。必死で介抱するまゆみですが・・・
一方、ダマーニナはたまごのお守り役を解かれたので、これから人生を楽しむことにして、たくさん食べたり、お城を買ったりしています。けれども三郎さんが隣にいないのが悔しいし、憎らしいのでした。そして、三郎がいつも呼びかけていた「まゆみ」という少女に嫉妬します。
PART3の最後で、まゆみに次の試練が襲いかかります。ハラハラドキドキの展開です。
PART4では、まゆみの帰りが遅いのを心配した三郎がまゆみ救出のために旅立ちます。
PART5では、三郎とまゆみそれぞれの動きが描かれます。
三郎は直感を信じてカメレオン元首相を救出します。しかし、ヘリコプターのトラブルもあって、なかなかまゆみに出会えません。ここでネタバレとなりますが、カメレオン元首相はとっさの罠を見破ったためにある軍人を犠牲にしてしまいます。このシーンが作者にトラウマとなって、後の後半シリーズが生まれるのです。
まゆみは、白馬のピーターと街に行き、尼僧のオルガに出会います。自分の彫像をみて、思わず自分も同じポーズをとり、三郎が生きていることを口にします。オルガはこれは本当のことだと直感し、自分の身を挺してみなに伝えようとします。
PART6では、青黒い水から広がった奇病「青ころり」にまゆみが立ち向かう姿が読みどころです。
ダマーニナは三郎から奪った指輪をもとに、皇室との関係を主張しますが・・・後のシリーズでも時々登場する変人キラップ女史が登場する作品です。
PART7は、PART8の大団円の前のどたばた回です。アラエッサとストンストンの珍道中が読みどころです。
まゆみはダマーニナに捉えられ、ピンチといえばピンチです。
さあ、PART8です。表紙が象徴するようにハッピーエンドなので安心してお読みください。
このPART8の読みどころはハッピーエンドはもちろんですが、ダマーニナとまゆみとの和解です。ダマーニナに片思いだったタナムシ教授もそのひたむきさがダマーニナの心を動かし、少しだけむくわれます。
この作品で終われば名作だったと思っているのは私だけではないはず。
では、次回シリーズ後編に続きます。
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