3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

電子書籍と紙の本:体験の違い(読書編)

電子書籍と紙の本の両方を読んでいると、読書体験の違いにときどきはっとします。外観編に引き続き、忘れないようにここにメモしておこうと思います。

電子書籍は暗いところでも読めるのです。タブレットそのものが光るからです。家族が寝静まってから、眠れないときの読書がとっても助かります。目を悪くしないか心配ではありますが、部屋を暗くしていても難なく読めます。

白黒を反転させて、文字を白にして浮かび上がるようにし、新読書体験を楽しむ人もいらっしゃるようです。

電子書籍と紙の本の違いは、外観の違いや読書体験だけでなく、本の価値にも及んでいます。

自炊をしていると、紙の本の装丁やしおりや見返しといった様々な工夫を目にします。そして、分解してそれらの工夫がいかにすごいものであったかを実感するのです。

紙の本は中身だけでなく本自体にも、つまり入れ物にも価値があるんだと思います。これが紙の本を高くても買う理由につながっていると思います。

一方、電子書籍はどうでしょう。実は、今のところ、私が買った電子書籍はある出版社のものを除いて、中身が入っているだけであり、入れ物に工夫が凝らされていませんでした。だから、紙の本と同額払うことに抵抗があります。

紙の本は煮ようが焼こうが自分のものですが、電子書籍がダウンロード権というのも同じ値段で手に入れるのをためらう理由です。それだけ所有権に関して、価値が低下している気がするからです。

電子書籍には、中身を入れる入れ物としての可能性がもっとありそうに思っています。ただ文章を電子化して入れて表紙が一枚しかないものを売るのなら、もっと安くして欲しいです。

私が自炊した本を結構満足して読み続けられているのは、紙の本の優れたフォーマットを受け継いで電子化しているからです。全部ではないけれど、いくつかの本には美しい見返しがあり、イラストがあり、裏表紙に簡潔なあらすじや解説があります。電子書籍に足りないものがそこにはあるように思います。