筒井康隆(編)ー異形の白昼
第87冊目は、筒井康隆のアンソロジー恐怖小説集「異形の白昼」を紹介します。
既に絶版みたいですね。。。
このアンソロジーですが、「現代恐怖小説集」というサブタイトルで、筒井康隆の「母子像」を含む全13編が集められています。いずれも怖い話、暗い話ばかりです。
一番読みやすいのは、冒頭の星新一の「さまよう犬」です。ちょっとファンタジーがかっているので怖さもちょっぴり薄らぎます。
けれども、それも一瞬。次の遠藤周作の「蜘蛛」で怖くて人に近寄れなくなります。タクシー乗りたくないです。
そして、小松左京の「くだんのはは」。勘の良い人はタイトルで何かわかるらしいのですが、私は読むまでわからず。
宇能鴻一郎の「甘美な牢獄」。どんどん世界がぐるぐる、怖い方向へ向かっていきます。
そして、曽野綾子の「長い暗い冬」。他の恐怖小説アンソロジーにも収録されているので、有名作品なのでしょう。私はこれでとどめをさされました。最初読んだときは何がおきたのかわかりませんでした。急いで読み返して、じわじわくるラストの怖さ。読み返すたびに怖いです。