ファインマンーご冗談でしょう、ファインマンさん(下)
第84冊目は、昨日に引き続き、ファインマンの面白エッセイ「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の下巻を紹介します。
上巻の紹介はこちら
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)
posted at 2012.5.23
下巻の冒頭の話「ラッキーナンバー」では、いかにして計算の名人と評判をとったかの話が出てきます。自然対数にまつわる計算をするのですが、すばやく暗算できたからくりがあかされています。計算が得意な人はこんな風に概算するのだという見本です。よいヒントになると思います。
そして、次の「オー、アメリカヌ、オウトラ、ヴェズ」はブラジルに行って大学で教えたときの話ですが、失敗談もあけっぴろげに回想しており大変面白いです。例えば、あのときメアリーに求婚するんじゃなかった、一時の寂しさは旅のためだった、とか。
そして、教える側、先生にとって深い話が書いてあります。どんなに下手でもポルトガル語で説明することにした理由(なぜなら自分はどんなに下手な英語でも英語の方がわかるから、相手もそうに違いないと思った)や学生に質問させるのがいかに難しかったか(質問はみんなの時間を無駄に使うのでよくないという風潮が根強い)という話です。
学校の先生や教育に携わる人にはここをぜひ読んで欲しいですね。