3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

プイグー赤い唇

第53冊目は、ラテンアメリカ文学、プイグの「赤い唇」を紹介します。

ラテンアメリカの文学を読んでみたくて買いました。すらすら読めない本が多かった中で、手紙のやりとりで物語が進むという形式のこの本は比較的読みやすかったです。

もてもてであっただろう青年が死に、彼に想いを寄せる女性から手紙が届くところから物語は始まります。
手紙で物語が進むので、もちろん、登場人物はハンサムな青年も含めて筆まめですね。そして、藪の中のように、誰が誰を愛していたのかよくわからないまま、善人も悪人もおらず、その中間地帯をみながさまよったまま、物語は進んでいき、終わりをむかえます。

最後に手紙を火にくべるところの描写が私は好きです。ピンクのリボンと青のリボンで束ねられた手紙。燃えるときに縮れながら散らばってみせる手紙の断面。文章。