3回以上読んだ文庫本を紹介

3回以上読んで本棚に残した(売らなかった)上に、自炊して電子書籍化し、さらにもう1度電子データで読んだ文庫本を紹介します。

マリオ・バルガス・リョサー緑の家

第51冊目は、小説好きのための小説、マリオ・バルガス・リョサの「緑の家」を紹介します。


上のリンク、しかたなく岩波文庫へのリンクを貼りましたが、上下巻ではなく、一冊で出ていたのが新潮文庫で昔はあったのです。画像はないですが、これです。


で、なぜ「緑の家」を読んだかというと、筒井康隆さんが「小説好きのためのベスト小説は緑の家だ!絶対読むべきだ!」と力説していたからです。この緑の家は小説としては非常にわかりにくい場面設定から始まります。なんと5つの場所、5つの異なる年代の物語が過去現在未来いりみだれ、錯綜していくのです。けれども、それは読みにくくはなく(筒井さん説)、むしろ読み進むにつれて、1章の次にどの時代につながったかが即座にわかるようになり、最終的には1行ごとに時代が変わっても読めるようになる、むしろ読めるのが気持ちがいいと絶賛してありました。

私は勢い込んで本を買って、何度か挑戦し、3度目にしてやっと読破。その後、4-5回読んだと思います。おかげで大分読みやすくはなりました。でも、筒井さんのような境地には未だに達しておりません。だから、時代や場所が変わる度、えっとこの時代はいつだっけ、だれとだれがいたっけ、ヒロインはまだ結婚前だっけ?などと目を回しながら読んでいます。

小説好きのための小説というのは私も保証できますので、年代順に物語が進まなくても大丈夫よ!という方、ぜひぜひ読んでください。



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筒井康隆ー言語姦覚:緑の家の紹介文が読めます。