黒柳徹子ー窓ぎわのトットちゃん
幸田文を続けようかとも思ったけど、第5冊目はちょっとずらして、黒柳徹子の「窓ぎわのトットちゃん」を紹介します。
この本、ほぼ挿絵がオールフルカラーで、いわさきちひろの透明感あふれる絵が広がっていて、眺めているだけでも素敵です。プレゼントにも最適と思われます。
実際にお話の方もとても面白いです。どう面白いかというと、黒柳徹子さんのいつもの語り口調が感じられるくらいスピーディにトットちゃんの冒険が進んでいく場面と、あのとき私はこう思ったけれども大人になったから先生の嬉しさ辛さがよくわかるという回想が交互に挟まるからです。
特に、トモエ学園いい学校ってトットちゃんがふと思いついて歌っていて、みんながそれについて合唱して、それを先生が聞いていて嬉しく思っただろうというシーンには涙が出ます。
冒頭の小学校退学になってしまう場面。退学になるんだから大変なことなんだけど、担任の先生が「それだけならいいんですけれど・・・(それだけじゃありませんのよ!)」を連発する場面。トットちゃんのお母さんの気分にもなり、学校の先生の気分にもなり、複雑な気持ちをいったりきたりさせられます。